つなぐ(実践)4 心が揺さぶられる体験 

心が揺さぶられる体験。

様々な立場の方々から、千葉大学教職大学院の『学校の国際化I』の授業では、実際に講師として来ていただいた方々の豊富な経験を伺った。

これらを実践力に繋げていくためには、どのような手立てや工夫が必要なのだろうか。

人と出会うのは、いくらでもできる。しかし、本当の意味での出会いは、相手が『この人とつながりたい』と思ってもらえることからしか始まらない。近くにいようが遠くにいようが、ましてや会ったことがなくても、自分自身が『この人とつながりたい』と思うから出会うのである。

教育に携わる人は、そのための魅力=人間力を身につけていくことで、教える側として発する言葉に力を与えることができる。

どうしたら、出会いにつながる力を高めていけるのだろうか。自分自身に当てはめて考えてみると、心が揺さぶられた体験があったことに気づいた。

1つめは、八田與一との出会い

これは、「つなぐ(実践)5 在外派遣の恩返し」の最初に記した「在外での発信」に重なる。ここから様々な出会いにつながっていたのだが、ここでは「台湾の出会い」の第1章「八田與一との出会い」を紹介する。

2つめは、シナリオ朗読「エリカ」

新井晴みさんに出会い、コミュニティ・スクールの特別講演会としてシナリオ朗読「エリア」を演じていただいた。それ以来、ことあるごとに、様々な場所で披露していただいている。最後に「生きてぇ~」と叫ぶ場面は、涙なしでは見られない凄みがある。ここでは、当時の案内ポスターをご紹介する。

3つめは、杉原千畝命のビザ

杉原千畝氏は、ご存じのように戦時中のヨーロッパで多くのユダヤ人を救った恩人として世界的にも有名な方である。彼が救った6000人(当時)の命は、今では25万人にも及んでいるとも言われている。今もなお、当時命を救われた方々につながる方々がその功績を讃えるとともに、「私の命があるのは、杉原千畝さんのおかげだ」という感謝の気持ちをもって生きておられる。実のお孫さんであるまどか氏のお話は、紛争の絶えない今こそ心に届けたいお話である。

4つめは、分かり合える 知ろうとすれば

これは、南アフリカのヨハネスブルグ日本人学校における中島先生の実践である。
アパルトヘイトという人種隔離政策で世界から非難を浴びた国は、これを撤廃して新しい国づくりを始めた。そのリーダーだったのがネルソン・マンデラ。彼の行き方にふれながら、
一人ができること、一人がすべきことを深く考えさせてくれる実践である。ちなみに、中島先生は私の高校時代の同級生であり、私が台湾の高雄日本人学校に赴任している際に、真っ先に来てくれた人=私にとっての恩人でもある。

この4つに続けて、今後も実践を紹介してきたいと思っている。学ぶ意欲を喚起させる「心が揺さぶられる体験」に触れることは「教育」の視点だけでは到底収まらない「人生」において価値ある体験だと感じている。この体験を「ひらき、つなぎ、つむぐ」で広げ、深めていきたい。以下で紹介する。「つなぐ(実践)4」をご覧になり、=ぜひ聞いてみたい・見てみたいという方は、ご連絡をいただきたい。(matsui@chiba-u.jp)学校の授業としてだけでなく、地域や保護者等の研修会として、近隣の学校と合同の職員研修で、CSの取組として・・・など様々な場面で生きる活動になると考えている。

「つなぐ(実践)4」から広がったもの等については、次の「つむぐ(発展)4」のコーナーで紹介していく。

具体的な実践

実践4-1 八田與一との出会い ~「台湾の出会い」より~

実践4-2 シナリオ朗読「エリカ」 CSの取組(はまっこ・夢・大学)

実践4-3 ①杉原千畝命のビザ記念講演会

②NPO杉原千畝命のビザ リンク先       

実践4-4 分かり合える 知ろうとすれば